織り手の女性たちの日常生活をテーマに自然の光景・動物・植物などをモチーフにし、自由にまた素朴な感覚で織り上げられています。素材・染色・撚糸等すべてが手作業で仕上げられた絨毯です。
モチーフになっている鹿は、子供を大切に育てる生態から”家庭円満”の象徴となっています。
染色原料はすべて天然由来のものなので、長年使用することにより少しずつ色が枯れ、深みのあるきれいな色に変化します。
また使い込むことによって毛も柔らかくなり、艶も増してきます。
■スタッフからのコメント■
大きな1本の樹と、そこに集まる動物たち。樹の下には鹿、枝には小鳥。樹がやさしく見守っているようです。サイズ | 横76cm 奥行116cm(フリンジ除く) 厚さ28mm | 組成 | ウール他 |
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重量 | 約5.2kg |
原産国 | イラン |
お手入れ方法 | 汚れたときは、ぞうきんに冷水を含ませ、よく絞ってからたたき拭きをしてください。 |
ギャッベとは
ギャッベはイラン北西部のシラーズ地方でトルコ系のカシュガイ族の遊牧民によって昔から織り続けられてきた絨毯です。ギャッベとはペルシャ語で粗い・毛足の長いと言う意味です。
油を含ませながら手つむぎしたアブラッシュ糸を天然の染料で染色し、手むすびという方法で織っていきます。骨組みにベースとなるたて糸を渡し、その1本1本にパイルとなる毛糸を手で結んでいくことに由来します。水平に並んだ縦糸への手結びが1段終わったら横糸を渡して水平を整え、また次の段のたて糸にパイル糸を手結び、をひたすら繰り返して織っていきます。
使用する色は基本の5配色の赤・白・青・緑・オレンジで、決まった下絵などは使用せず、織り手の女性たちの日常生活をテーマに自然の光景・動物・植物などをモチーフにし、自由にまた素朴な感覚で織り上げられています。
地面に直接敷くため、分厚く丈夫でしかも彼女らは常に移動する生活なので素早く織らなければならないため太い糸でざっくり織られています。
素材は羊毛が主ですが山羊・ラクダの毛を使用することもあり、縦糸・横糸は綿もしくはウールを使用しています。染色・撚糸等すべての工程が手作業で仕上げられた絨毯です。
十数年前からヨーロッパでは爆発的に売れ出し、日本でも売れ筋の絨毯としての地位を確立しています。近年ではインドや中国の模倣品が出回るようになりました。
原材料はシラーズ地方の羊毛
ギャッベ発祥の地であるイランのシラーズ地方は羊の遊牧で有名な場所です。
この地の羊の毛を原料にしている点がペルシャンギャッベの最大の特徴といえます。
ここで飼われている羊は品種改良をほどこしていない原種に近い羊といわれています。
この羊毛で作られたペルシャンギャッベははじめは固い感触ですが、使い込むほどに柔らかくなり、艶が出てくるので、「持ち主が育てる絨毯」とも言われます。

女性の手作業でつくられています
伝統的に作られているギャッベは、女性のみが作ります。もともとギャッベは女性が嫁入り道具として織るものでした。
シラーズ地方では絨毯を織る工程はもとより、羊毛を紡いで糸にするところから、すべて女性の手作業で行われます。

染料はすべて自然原料
ペルシャンギャッベの糸を染める原料は植物や昆虫、鉱石など、すべて天然由来のものです。
化学染料で染めたものが長年の紫外線の影響などで変色するのとは違い、天然染料では長年使用することにより少しずつ色が枯れ、深みのあるきれいな色に変化します。
お手入れはぞうきんの水拭きで
ギャッベの製作における最終工程は水洗いです。
丁寧に織られた絨毯にブラシをかけ、水をかけて遊び毛を流します。ギャッベはこの工程からも分かるように水でのお手入れが可能です。
ただ湿気の多い日本では乾きにくいため、水洗いはカビの原因ともなるので、汚れたときは、冷水を含ませよく絞った雑巾でふき取るようにしてください。
