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ギャッベとは
ギャッベはイラン北西部のシラーズ地方でトルコ系のカシュガイ族の遊牧民によって昔から織り続けられてきた絨毯です。「ギャッベ」とはペルシャ語で、粗い・毛足の長い・ざっくりした と言う意味です。
ギャッベは染色・撚糸・織り等すべての工程が手作業で作られていきます。
油を含ませながら手で紡いだ毛糸を天然の染料で染色し、縦糸に横糸を人の指先を使って絡めていく「手むすび」という方法で織っていきます。骨組みにベースとなるたて糸を渡し、その1本1本にパイルとなる毛糸を手で結んでいきます。水平に並んだ縦糸への手結びが1段終わったら横糸を渡して水平を整え、また次の段のたて糸にパイル糸を手結び、をひたすら繰り返して織っていきます。
使用する色は基本の5配色の赤・白・青・緑・オレンジで、決まった下絵などは使用せず、織り手の女性たちの日常生活をテーマに自然の光景・動物・植物などをモチーフにし、自由にまた素朴な感覚で織り上げられています。
常に移動する生活なので素早く織らなければならず、太い糸でざっくり織られていますが、荒野の地面に直接敷いて使用するため、分厚くてあたたかく、さらにとても丈夫です。
素材は羊毛が主ですが山羊・ラクダの毛を使用することもあります。縦糸にはウール、もしくは綿を使用することもあります。
ギャッベは十数年前からヨーロッパでは爆発的に売れ出し、現在は日本でも売れ筋の絨毯として、地位を確立しています。近年ではインドや中国の模倣品が出回るようになりましたが、元祖ギャッベはイラン(昔のペルシャ帝国)産のペルシャンギャッベです。
原材料はシラーズ地方の羊毛
ギャッベ発祥の地であるイランのシラーズ地方は羊の遊牧で有名な場所です。
この地の羊の毛を原料にしている点がペルシャンギャッベの最大の特徴といえます。
ここで飼われている羊は品種改良をほどこしていない原種に近い羊といわれています。
この羊毛で作られたペルシャンギャベははじめは固い感触ですが、使い込むほどに柔らかくなり、艶が出てくるので、「持ち主が育てる絨毯」とも言われます。

女性の手作業でつくられています
伝統的に作られているギャベは、女性のみが作ります。もともとギャベは女性が嫁入り道具として織るものでした。
シラーズ地方では絨毯を織る工程はもとより、羊毛を紡いで糸にするところから、すべて女性の手作業で行われます。

染料はすべて自然原料
ペルシャンギャベの糸を染める染料原料は植物や昆虫、鉱石など、すべて天然由来のものです。
化学染料で染めたものが長年の紫外線の影響などで変色するのとは違い、天然染料では長年使用することにより少しずつ色が枯れ、深みのあるきれいな色に変化します。
お手入れはぞうきんの水拭きで
ギャベの製作における最終工程は水洗いです。丁寧に織られた絨毯にブラシをかけ、水をかけて遊び毛を流します。
ギャベはこの工程からも分かるように水でのお手入れが可能です。
ただ湿気の多い日本では乾きにくいため、水洗いはカビの原因ともなるので、汚れたときは、冷水を含ませよく絞った雑巾でふき取るようにしてください。
